研究概要 |
本年度は前年度に続き,教育用マシニングセンタの基本的な機能の追加,改良及び工作物材質を変えて基本的な加工実験を行い,その結果に基づき,制御プログラムを修正した。以下の3点に要約できる。 1.送りテーブルの移動方向が反転するときに生じるバックラッシュは,加工誤差に大きく影響するので,送りテーブルの有効移動長さ上で数箇所,軸方向を変えて送りねじのバックラッシュを測定した。そしてその結果より軸の回転方向を反転させるときにステッピングモータへの出力パルスを加算して補正することとした。 2.ステッピングモータの電源を入れた時点で,機械座標と相対座標を設定できるようにした。相対座標は操作者が座標を設定できるようにした。機械座標は設定が固定されている。機械原点をテーブルに設置し,原点復帰モードを追加した。これらの送りテーブル位置決めのソフトウエアの開発については,日本産業技術教育学会第17回九州支部大会において発表した。 3.本体構造についてはZ軸方向の移動用ステッピングモータの取り付け部分を改善した。Z軸方向の送りはラックとピニオンから構成されており,このピニオン微動用ハンドルがあり,このハンドル軸にステッピングモータを取り付けている。モータ取り付け板は鋳物本体にもともとあったねじ穴だけを利用して,取り付けているので,Z軸動作時にモータ取り付け板が動かないようにしっかり固定できるように改善した。 加工物材質についてはプラスチック及びアルミ合金を被削材として選び,加工を行い,良好な結果が得られた。
|