研究課題
基盤研究(C)
幼児期の環境教育の本質は、生涯持ち続ける価値観にもつながるような根源的なものを幼児に育てることであり、活動の中心は「自然への豊かな感性」を育てることにある。これは特別な保育を意味するのではなく、散歩・草木遊び・飼育・栽培・ゲーム遊びなどの保育内容環境で日常的に行われる保育に環境教育的視点(ねらい)を持って意識的に、しかも繰り返し行なうことを意味する。環境教育の視点とは、命の巡り、自然界の循環、生態や特徴、生物や人とのつながり、多様性、命の大切さ、季節や現象の変化などに気づくようにし、また、それを深めて好奇心・探究心を育てるような働きかけをすることである。従来からの遊びに加えて新しいプログラムを開発するに当たっては、状況に応じて自在に活用できるコンテンツ的なもので、日本の自然や伝統文化を活かしたものなどが重要である。さらに、幼児教育全体で持続可能な社会を実現するための保育を可能にするよう啓発していくことが課題である。今回、自然環境調査から、地域の気候風土や自然環境を十分活かしてより多く自然にかかわることができるようにすること、園庭での遊びや散歩を数多く実施する必要があることなどが示された。また、「育つ力の評定基準」を使った実証的研究で自然とかかわることの意義が示され、特に、幼稚園、保育所での集団の教育力が示された。保育者養成教育においては制度的、時間的、物理的に困難さはあるが、自然への関心を高め、その意義を理解させることや自然や生き物とのかかわりが楽しく大切であることを十分伝えることが必要で、学内外でできるだけ実際に自然や動・植物に触れる体験ができるようにすることが望まれる。
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Environmental Education Vol.15 No.1
ページ: 11-20
Dobun Shoin
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精華女子短期大学研究紀要 第31号
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Journal of Seika Women's Junior College No.31
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