研究概要 |
トータル・アプローチ計画は工学に用いられる数学の内容を考慮しながら,教授内容の精選と教材の整備,授業方法の改善,テクノロジーの活用の有効性の検証,授業評価などの総合的な授業改革を目的としたものである。当初は石川工業高等専門学校の授業改革を目指したが,授業改革という以上,個人やひとつの学校の授業のレベルアップでは意味が薄いと考え,昨年度から,本計画を全国的な展開とすることに決めた。昨年7月に,発起人40名を揃え「よりよい数学の授業に向けたトータル・アプローチ計画(以下、TAMS(Total Approach for better education of Mathematics and Science))」を発表、8月1日に発足宣言を行い,その後,会員は70名となった。(詳細はhttp:/www.mathnavi.org/) 11月にTAMP Project 1として「関数とグラフの授業改革」が始まり,計画の立案,準備を経て,現在は教材作成とともに,授業実践に入り,現在にいたっている。この計画は「応用例から入る関数とグラフの授業」を目指したもので,同時にテクノロジーの適切な活用方法,教師と生徒の双方向のコミュニケーションの導入を期している。TAMS Project 1の参加人数は9名である。今後,さらに教材を充実させることとともに,よりよい授業のあり方を模索していく。 その他,昨年度に作成した「技術者のための微分積分学」(高専第3学年を対象)の改訂、「2次の線型代数」の教材作成などを手がけている。
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