研究概要 |
この研究は、教材の整備と特にテクノロジーを活用した授業方法の改善を目指すものである。その成果は研究代表者のWebサイトにおいて公開してある。(http://www.ishikawa-nct.ac.jp/lab/G/asoka/www/) (1)平成2002年度には、高専の第3学年生を対象とした解析学IIの教科書の作成を開始、以後、3年間にわたって、それを利用した授業実践を行い、解析学の授業改善に取り組んでいる。教科書は、授業の反省を踏まえ、2004年4月に完成を見ることができた。 (2)本研究代表者は,数学教育にテクノロジーを導入することを目指し,クラスの生徒全員が数式処理機能を持つグラフ電卓の使用が可能になった平成12年以来,その有効性を検証してきた。これによって、数学の授業方法を根本から変えることを意図している。このプログラムでは、生徒達が自分自身で設定した問題を解決したり、自分自身の考え方を発表したり、さらに、ほかの生徒による問題解決の方法について考察してその理解を深めていくといった経験をする。本研究では、このような学生達の数学的探究活動の過程を観察し、その報告を行った。特に図形の面積と体積、曲線の長さに関する探究活動に関して、その学生達へのフィードバックに言及しながら、数学教育におけるテクノロジーの有効な活用についての提言を行った。 (3)私たちの授業改善への試みはTAMS計画として、全国の高専の数学教師によって行われるようになった。TMAS計画は2003年の8月に発足宣言が行われ、翌9月にはTAMS宣言として数学教育改革に対する方針が発表され。現在では78名が参加している。その後、TAMSメンバーの有志によって、関数教材の開発と授業改善を目指した「関数とグラフの授業改革」プロジェクト、テクノロジーの有効な活用方法の紹介を目指した「テクノロジー活用カレンダーの作成」プロジェクトが計画され、現在もその活動を継続している。
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