ソフトウェアの要求者である学校の教師と、開発者である大学生が協調してソフトウェアを開発する協調開発モデルの構築を行った。このモデルでは、要求者から要求を抽出するプロセスと、開発者が要求に基づいて開発したソフトウェアを公開し、使用者からの使用時の不具合や改善事項といったフィードバック情報に基づきソフトウェアを洗練するプロセスとを対象とする。このモデルに基づくコミュニティウェアの試作版をWWW上で稼動するアプリケーションとしてJava言語を用いて開発した。そして、このコミュニティウェアを用いて試行実験を行った。3つの開発課題を開発し、公開を行った。この開発過程において以下のような問題点が観測された。 ・要求抽出時に機能要求に関する議論が主として行われ、ユーザインタフェースに対する修正要求が成果物公開後に頻繁になされた ・ネットワーク型のアプリケーションにおいては、ソフトウェアのアーキテクチャに関する情報を事前に取得しておく必要がある ・ダウンロードはされるものの、ユーザからのフィードバック情報はあまり得られなかった 本コミュニティウェアの特殊性である、教育ソフトウェアの開発、開発が教育目的であることから、上述の問題点を克服することはまさに本研究の課題であり、次年度にはこの課題を克服するための仕組みの検討とコミュニティウェアへの実装を進めていく予定である。
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