言語学習における自律学習を目指す教授ツールとしてのポートフォリオ利用に関する研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14580212
• 研究機関: 上越教育大学
• 研究代表者: 北條 礼子 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50199460)
• キーワード: ポートフォリオ / 教授ツール / 自律学習 / 英語教育 / 国語教育 / 言語教育 / ライティング / スピーチ

研究概要

本研究の主な目的は、言語(国語・英語)学習における教授ツールとしてのポートフォリオの有効性を明らかにすることである。研究2年目にあたる平成15年度には、まず国語については、前年度平成14年2〜3学期に中学2年生を対象に公立中学校国語科で実験を実施したが、その研究成果を「中学校国語科の書く活動における教授ツールとしてのポートフォリオの効果についての事例研究」と題して学会において連名発表した。ポートフォリオは教授ツールとして、大変好意的に学習者から捉えられていたことが明らかになった。次に英語科については、中学生のライティングにおける教授ツールとしてのポートフォリオを用いたカリキュラムを設計するための基礎データを検討したが、その結果を論文としてまとめた。この結果をみると、ポートフォリオにおいて不可欠な要素であるグループカンファレンスを実施のためグループ分けをする際に、学習者の英語力の違いは考慮する必要があるが、学習者特性(学習スタイル、動機づけ、性格特性)や性差を考慮する必要はないことが明らかになった。また、英語科におけるポートフォリオの研究として、国立看護学校において、1学期は1年生を対象にEメールライティング、2学期は2年生を対象に表現活動(英語のスピーチの原稿を書いて、発表する活動)に取り組んだ。さらに、前年度に言語学習以外の分野でもポートフォリオを活用した学習の実施が可能であったので、実験を実施した新潟県公立中学校における社会科(地理)における教授ツールとしてのポートフォリオを活用した追求活動の研究成果を論文としてまとめ発表した。この結果をみると中学校社会科においても、ポートフォリオが教授ツールとして有効であることが量的、質的データから確認された。

研究成果

• [文献書誌] Matsuzaki Kunimori, Hojo Reiko(松崎邦守, 北條礼子): "Instructional Tool in EFL Writing Classes on the Relationship between Writing Ability, Learning Strategies, and Affective Factors : toward Designing Portfolios as an Instructional Tool in EFL Writing Classes of Japanese Junior High School Students"上越英語研究. 4. 23-32 (2003)
• [文献書誌] 北條礼子, 松崎邦守, 中澤優子: "中学校社会科の追究活動におけるポートフォリオの活用"実践教育研究. 14集. 1-8 (2004)
• [文献書誌] 松崎邦守, 北條礼子: "外国語(英語)のライティング学習における教授ツールとしてのポートフォリオの有効性"第29回全国英語教育学会南東北研究大会発表. 62 (2003)
• [文献書誌] 星野文隆, 松崎邦守, 北條礼子: "中学校国語科の書く活動における教授ツールとしてのポートフォリオの効果についての事例研究"2002年日本教育工学会第19回全国大会講演論文集. 703-704 (2003)