1.はじめに 本研究では、インターネットとパーソナル・コンピュータを利用した仮想的な電子点字図書館を試作した。これはボランティアにより入力された文章をインターネットを介してコンピュータで自動点訳を行い、それを音声および点字データとして提供するシステムである。 2.システムの概要 a)図書製作(ボランティア):仮想点字図書館にアクセス→キーボードより、漢字かなまじり文を入力、または、マイクを通して音声により文章入力→図書館側のシステムで、これらのファイルを保存、管理 b)自動点訳(点字図書館):漢字かなまじり文→わかち書きに変換→わかち書き→ひらがなに変換→ひらがな→点字データに変換 c)点字図書の閲覧:音声ガイダンスにより、図書の選択→音声コマンド入力→点字図書館がデータ提供→スピーカーから自動朗読 3.音声認識及び音声ガイダンス 音声認識は、キーボードを使えない人が、本システムにアクセスし、図書の閲覧や貸出しを行う場合に用いる。マイクに向かって発声することでキーボードから入力するのと全く同様に、ファイル名を指定したりボタンを押したりする事と等価な操作が音声だけで可能になっている。 4.考察 本研究ではパーソナル・コンピュータを用いた自動点字変換システム及び音声ガイダンス・システムを作成した。この自動点字変換システムを用いる事で高度な点字の知識がなくとも、簡単に点訳ボランティアに参加できる可能性が示された。システムは特別なハードウェアを必要とせずに、比較的簡単に導入が見込まれる。
|