研究概要 |
(1)撮影の対象となる講義を黒板だけを使用する講義から,スクリーンを併用する講義に広げた. 昨年度までは,本研究で撮影の対象とする講義は黒板だけを使用した講義であった.しかし,最近では,教材をスクリーンに投影し,それを利用しながら講義を進める講義形態も増えてきた.このような形態の講義も遠隔講義として撮影することを試みた.スクリーンを併用する講義では,教師が説明する対象は必ずしも最新の板書とは限らない.スクリーン上の内容を説明している場合などでは,撮影法をこれまでとは大きく変える必要があり,新しいカメラワークの検討を行った. (2)講義室の状況をより詳細に把握するために,教師の動作を推定する手法を構築した. 教師が講義を行っている講義室の状況推定を行うためには、教師の動作推定を行うことが必要である。昨年度に構築したロバストな教師領域の抽出法で抽出された教師領域内を細かく処理することで,教師の動作を推定する手法を構築した.この手法は,講義中の教師の動作を3種類(板書中,説明中,移動中)に分類し,カメラで撮影された教師の像から教師の動作がどのカテゴリに分類されるかを推定する.教師の動作を推定できることによって,講義室の状況をより細かく把握することができるようになった.この動作推定手法を昨年度に構築した講義自動撮影システムに組み込み,実際の講義に適用して撮影実験を行った結果,本手法が有効であることが確認できた. (3)遠隔教室の状況を把握するために,学生の講義参加状況を検出する手法を検討した. 遠隔地の講義室を端末室の場合と普通の教室の場合とに分けて,学生の受講態度を検出する手法の検討を行った.端末室を遠隔教室とする場合は,学生1人に1台のPCが割り当てられているという仮定の下で,学生の顔の方向,PCの操作状況を教師にリアルタイムに伝えるプロトタイプシステムを構築した.
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