研究概要 |
本研究では,対話性や実用性を重視した外国語CAIシステムの開発を行っている.対話性という点では,特に学習者が意欲をなくすことなく学習を進めるために,学習者とコンピュータ間でのインタラクション(ヒント教示)について検討するため,位置情報ヒント及びその他のヒント教示機能について評価実験を行い,どのような場合にどのようなヒントが有効であるか考察する.実用性という点では,学習者が教室で利用可能な教材実行システムの開発を目指している.本システムを用いた場合,語学教師がどの程度の労力で教材作成できるのか,また教材が正常に配信実行できるか,その際のシステムの負荷はどの程度か等,実際に運用する上でどのようなしくみにしておけばよいかについて研究を行う. 今年度は,以下の点について研究を実施した. (1)ネットワークに対応した学習者側の教材実行システム ヒント教示機能の開発と動作実験 ネットワークへの対応を考慮して,サーバから教材をダウンロードし教材を実行するシステムの開発に着手した.誤り指摘や位置情報ヒント教示機能を組み込んだシステムを試作し,学習者側の教材実行及びヒント機能について正常に動作するか,大学の授業において実験運用した.特に,教材の音声面を実行するための音声合成ソフトを導入したが,その音声出力についても正常に動作するか,50人程度の通常の授業で実験し正常に動作することを確認した.さらに,どのタイミングでどのヒントをどのように出力すればよいか,ヒント教示機能について評価実験を行った. (2)教師用オーサリングシステムの開発 教師個人のコンピュータから,ネットワーク上で教材作成可能なオーサリングシステムを作成している.これについては,現在作成途中であるが,語学教師がどの程度の労力で教材作成できるのか,また教材が正常に配信実行できるか,実際に運用する場合の課題点,問題点を考慮しつつ開発を行っている.さらに,作成した教材のネットワーク上での運用を日指し,ネットワークに対応した教材配信システムとしてどのようなしくみにすればよいかについて検討し,その可能性を探っている.
|