研究概要 |
マルチメディア教材の教室における利用はますます重要となりつつある.しかし,現在,マルチメディア教材がそれほど利用されているとはいえない.これには,次のような問題点がある.(1)コンピュータを学習指導等に活用できる教員の数が少ない,(2)ソフトウェアが高価である,(3)市販のソフトウェアは汎用性がなく,現場の状況に合わない,(4)マルチメディア技術の進歩が速すぎ,ソフトウェアならびに作成したマルチメディア教材もすぐ古くなってしまう.我々は前述の諸問題点を解決するために教育分野の中でもコンピュータに対する需要が高い語学教育に的を絞りソフトウェア部品化の手法を用いた教育用ソフトウェア開発法について研究を行ってきた.本研究ではこれらの成果を基に以下の開発研究を行った. (1)語学教育用ソフトウェア部品の拡充・・・小テスト作成部品、TOEFL問題作成部品をはじめとするソフトウェア部品の開発及び機能拡張を行った.この部品の使用によりプログラミング初心者でも手軽に独自のソフトウェアや教材を作成可能である. (2)ソフトウェア部品を活用した英書法、英読解学習支援用ソフトウェアの開発・・・大学の専門課程を対象とした英語学習支援システムである.平成15年度から熊本大学文学部英語教師Gilbertの英語クラスにおいて使用する予定である. この他に、マルチメディアデータベースも試作中であるが、これについてはまだ拡充の必要がある.今後の課題としては、(1)語学教育用ソフトウェア部品のさらなる拡充を行うこと、(2)英書法、英読解学習支援用のクラスでの使用による評価作業、その評価を基にした改良作業、(3)マルチメディアデータベースの機能充実を行うこと、さらに、それを発展させ、他の教科でも利用可能なソフトウェア部品の開発とそれらのソフトウェア部品を用いた教育用アプリケーシヨンの開発手法について研究を行うことが挙げられる.
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