平成14年度からケースメソッド教材の開発を行い、県内の保健看護従事者を対象にフィールドテストとして研修を重ねてきた。これらの実践的活動の一つは、新しいスタイルの公衆衛生活動として報告した(金城芳秀、2005)。グループインタビュー、看護セミナー等を通して、保健看護従事者のニーズ・アセスメントを行い、文献等の質を吟味する情報リテラシーおよびプレゼンテーション能力を向上させたいというニーズとともに、現場の活動実践を研究報告としてまとめ、メディアを通じて共有するというニーズを確認した。これらのニーズに対して、質的研究の方法論については看護学領域に焦点をあてた文献レビューを行い(岡村純、2004)、コンテンツを作成し、量的研究の方法論については、疫学を学習するサイトであるスーパーコースジャパンとの連携を試みた。情報リテラシーおよびプレゼンテーション能力を向上させるために、県内保健所や基幹病院など現場の専門職者と共にe-ラーニング用のコンテンツとして、(1)沖縄県の若年層に対する性感染症の予防と有症者の受療喚起を目的としたパンフレットやポスター、(2)県内離島の救急病院における大型台風被災経験(2003年)を生かした災害看護に関するコンテンツなどを開発した。これらのコンテンツを配信するために、生涯教育による公衆衛生の人材育成を目的としたサイトを現場の専門職者と構築中である。
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