IT用語の手話の開発は、聴覚障害をもつコンピュータ技術者によって行われており、手話の普及は、書籍の形での出版によっていた。しかし、商業出版は採算という壁があり、容易ではない。さらに、現在のように技術革新のスピードが速く、新しい用語が次から次に出てくる状況では、書籍出版では時間が掛かり、間に合わないという状況も出てきた。そこで、本研究では、開発された手話をWebで公開することを試みた。この場合は、書籍の場合と異なり、動画で手話を公開することができる。ただビデオ画像では、ファイルの大きさが大きいので、ダウンロードに時間がかかる。そこで、ファイルサイズの小さなアニメーションを用いた。採用したものは、三次元アニメーション作成ソフトMimehandであり、これによって作成されるアニメーションファイルは、サイズが小さく、素早いダウンロードが可能である。約500語のIT用語の手話をアニメーション化し、Webで公開した。 Mimehandでのアニメーション作成は、いくつかの機能が不足していることもあり、かなりの熟練を要し、素人向きではない。そこで、今後webで手話動画を素早く公開していくためには、もっと容易に手話アニメーション作成が可能なオーサリングツールの開発が必要である。まず既存のアニメーション作成ソフトで、どこまで手話作成が可能で、かつ容易であるかを検討した。いくつかのソフトや言語を検討した結果、Swift 3Dが高い手話表現能力があり、かつ容易にそれを実現することが可能であることが判明した。また作成したアニメーションのモデルは250KB程度あるが、その中で動きのデータはわずか5KBにすぎない。web上での公開に非常に向いていることが判明した。今後このSwift 3Dを元にしてオーサリングツールを構築していくことを考えている。
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