研究課題/領域番号 |
14580261
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
篠田 晴男 茨城大学, 教育学部, 助教授 (90235549)
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研究分担者 |
今田 里佳 信州大学, 教育学部, 助教授 (80306670)
高橋 知音 信州大学, 教育学部, 助教授 (20291388)
尾崎 久記 茨城大学, 教育学部, 教授 (40092514)
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キーワード | 大学生 / ADHD / LD / 抑うつ / チェックリスト / UPI / CPT / 不注意 |
研究概要 |
今年度は、米国における診断・援助システムの実態に関する実態調査を行いジョージア大・アリゾナ大にて実施した。既に米国では、大学生のADHD/LD者に対し、実行機能系検査などの神経心理学的検査バッテリで診断し、抑うつ、不安などの二次的障害や、学習上の困難を含め、組織的な対応がなされていることが理解された。次いで、わが国でもこうした問題を抱える大学生が存在するかどうか、明らかにすることを目的として調査を行った。方法:ジョージア大学で使用しているチェックリストをもとにAD/HD傾向質問紙を作成した。また、精神的健康度の指標としてUPIを実施した。調査は両質問紙ともにデータが得られた信州大学教育学部2年生242名および茨城大学教育学部1年生132名を対象とした。さらに、信州大49名、茨城大18名の計67名について問題行動チェックリスト(YSR)および注意持続性検査(IVACPT)を加えた追加分析を行った。結果:AD/HD傾向質問紙は7つの下位尺度に、UPIの項目は、平山ら(1990)の報告にもとづいて8尺度に分類し、AD/HD傾向が精神的健康度と関連があるか検討するために、それぞれの下位尺度得点間の相関を求めた。なお、AD/HD傾向質問紙の確認的因子分析では、3要因モデル(不注意・多動性・衝動性)が一定程度の説明力を有したほか、追加項目から4尺度が構成された。最も高い相関が見られたのは、AD/HD傾向の「不注意」とUPIにおける「抑うつ」であった(r=.42)。「不注意」は他にも「こだわり」、「抑うつ」、「気分変動」、「自律系症状」の4尺度と相関を示した(r≧.20)。一方、AD/HD傾向における「多動性」に関してはUPIの下位尺度との相関は低く、AD/HD傾向の「衝動性」に関しても相関が見られたのは「気分変動」のみであった。
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