本年度の研究は、まずメディア暴力の基準について、収集した文献をもとにして設定した。そこでは佐々木(1991)のテレビ暴力番組の定義「人間、生物、または無生物の対象に、物理的、心理的危害を直接的間接的に与える行為の描写を含む、テレビによって放映される劇、長編特作物語、漫画などの、虚構的物語番組及びコメディー番組」が最も有効であることが再確認された。しかし、インターネットの急激な利用増加、及びテレビのデジタル化による双方向利用の進行により、それを変更することも将来必要であることが明らかになった。そこにはRSACi (Recreational Software Advisory Council on the Internet)が暴力の表現レベルの基準をレベル0から4までのを明らかにしており、インターネットにおける暴力のもならず、テレビゲームにおいても有効であることを推測させた。 メディア接触行動の測定尺度について、インターネットの急激な利用の増加で、1日の平均利用時間が1時間42分(総務省2001)と明らかにされ、これはテレビ接触が減少したことを示すかどうかを確認する必要性があった。 現在は、テレビ暴力としてひとつの番組を取り上げ、その番組への接触度、暴力の影響をコントロールできるという自己効力感、及び他人がコントロールできるかどうかの推測、番組規制への賛成について、予備調査を行い、分析中である。
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