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2002 年度 実績報告書

日本人英語学習者の文法能力発達メカニズムの解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580275
研究機関上越教育大学

研究代表者

大場 浩正  上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10265069)

キーワード第二言語習得 / 機能範疇 / 形式素性 / 関係節 / Wh疑問文 / 下接の条件 / 文法性判断 / 普遍文法
研究概要

本研究の目的は,日本人(成人)英語学習者が素性駆動による移動(feature-driven movement)を習得出来るか否かを,wh疑問と関係節におけるwh移動の理解の側面に焦点をあて,検証することである。
日本人英語学習者がインプットから得られる肯定証拠に基づいて英語の機能範疇Cに存在する素性(日本語にないwh疑問における強い素性[+wh]と関係節における[+R])を習得し,そのことによってwh疑問と関係節におけるwh移動を正しく理解できるかを検証するためには,wh疑問や関係節における文法的な文を正しく容認し,かつ,非文法的な文を正しく排除できるだけではなく,wh移動に課せられた制約(下接の条件)に違反した非文法的な文も正しく排除できるかを調査する必要がある。この調査のために日本語を母語とする,日本及び英国に滞在する大学(院)生,英語教師,及び英語母語話者が実験に参加した。参加者はOxford Placement Testにより5段階の英語能力に分けられた。実験に用いられたテストは文法性判断であり,参加者は各文の文法性を5段階で評価した。
結果は次の通りであった。(1)関係節とwh疑問の両方において,High-intermediateに達すると英語母語話者と同様に文法性と非文法性を正しく判断できる,(2)関係節からのwh移動に関しては,日本人英語学習者はAdvancedに達すると,関係節とwh疑問の両方において英語母語話者と同様の反応を示した,(3)文主語からのwh移動に関しては,関係節においてはAdvancedで,wh疑問においてはIntemediate以上で英語母語話者と同様の反応を示した,(4)付加詞からのwh移動に関しては,関係節においてはIntemediate以上で,wh疑問においてはHigh-intermediate以上で英語母語話者と同様の反応を示した,(5)間接疑問からのwh移動に関しては,関係節においては英語母語話者と同様の反応を示すことはなかったが,wh疑問において,Advancedで英語母語話者と同様の反応を示した,(6)複合名詞句からのwh移動に関しては,関係節とwh疑問の両方において,Advancedで英語母語話者と同様の反応を示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大場 浩正: "日本人英語学習者の文法能力の発達過程:関係節構文の理解と産出のデータから"中部地区英語教育学会紀要. 第32号. (2003)

  • [文献書誌] 大場 浩正: "The Acquisition of Wh-movement by advanced Japanese Learners of English"上越教育大学研究紀要. 第22巻第2号. (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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