研究分担者 |
岸本 実 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80249705)
藤原 顕 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (60261369)
松下 佳代 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 助教授 (30222300)
岩崎 紀子 福島大学, 教育学部, 講師
長谷川 豊 京都府立大学, 福祉社会学部, 助教授 (90254317)
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研究概要 |
1 研究同人は6つのグループに分かれ,各グループが一人の現場教師を選び,その授業実践の分析やライフヒストリーの聞き取り調査(インタビュー)を行った。私たちが選んだ教師は以下の6人である。 遠藤瑛子(中学国語),小幡肇(小学校),小野英喜(高校理科),寺岸和光(小学校),福井雅英(中学社会),久保斎(小学校)。 2 ライフコースインタビューにおいては,それぞれの教師がどのように自分の授業実践を作り上げてきたのか,特にカリキュラム経験(どのように自分の授業,カリキュラムを実践し,反省してきたか)を中心に,実践史を語っていただいた。 3 個別事例研究の意味については、一般的に論じるのがとてもむずかしいが,これまでの私たちの研究で明らかになった教師の力量のイメージをキーワード風にまとめる。 (1)教師の権威と子どもの自由のバランス感覚 (2)教えるもの(力、技能)と子どもに任せるものの区分けの感覚 (3)大きなスパンによる育ちの見通しと授業における小さな一瞬のできごとに対する感覚 (4)「学校的な」枠組みへの批判意識、その脱構築と新たな枠組みの再構築 (5) 学校外の研究実践運動との出会いと学び、批判的な摂取 こうした力量の中身は,マニュアル化された技術として身に付くというよりも,教師の経験の中で反省を通して身体的に身に付ける感覚,視座として獲得される実践知,と言った方がよい。
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