研究分担者 |
松崎 正治 鳥取大学, 教育地域科学部, 助教授 (20219421)
松下 佳代 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 助教授 (30222300)
藤原 顕 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (60261369)
岩崎 紀子 福島大学, 教育学部, 講師 (30344823)
岸本 実 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80249705)
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研究概要 |
本研究の目的は、教師の力量、すなわち技術的な力量及び実践的知識が教師自身のライフヒストリーの中でどのように獲得され、それが自己の「授業スタイル」としてどう確立されていくかを問うものである。「授業スタイル」とは、カリキュラムづくり、教材開発や探索、さらには教授行為や学習活動の組織を含んだ授業の構成において、個々の教師が特徴のある一定の、安定した枠組み(frame)を持っているのではないかと想定できると考えるところから出発している。その枠組みおよび構造を授業スタイルと呼ぶことにする。研究同人は6つのグループに分かれ,遠藤瑛子(中学国語),小幡肇(小学校),小野英喜(高校理科),寺岸和光(小学校),福井雅英(中学社会),久保斎(小学校)の6人の授業実践の分析やライフヒストリーの聞き取り調査(インタビュー)を行った。 校種や専門教科も違い、経験年数も違う6人の教師の授業分析やインタビュー分析を通して明らかになったことは、いずれの教師も授業における授業スタイルの変革の過程において、「できごと」にめぐりあっている点(「できごと」を「できごと」たらしめたものの考え方や感じ方を持っていることが条件)である。変革の過程において新しい授業を具体的なものにしていく際に重要存のは、新しい授業理論ではなく、自らの「カリキュラム経験」で得た実践知であることが明らかになった。
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