本年度は、来年度に実施する言語生成上の問題解決のプロセスにおいて英語学習者が行う認知的活動に関する内省的・縦断的調査に先立ち、先行研究のレビューに基づいて、研究方法、とりわけ言語生成上の問題解決においてなされる認知的活動とはどういうものなのか、また、それらの活動はこれまで第2言語習得研究によってに明らかにされてきた言語習得を促進するための要件とどのように関わっている可能性があるのか、認知的活動の結果としての旨語習得をどのようなテスト・評価で測定するのか、また、認知的活動に関するデータをどのような方法で収集するのがよいのか等、様々な基本的問題の検討に基づいて、小規模なパイロットスタディを行った。 対象は、日本人英語学習者(大学生)で、口頭および筆記での言語生成(英作文)課題を与え、課題遂行中に遭遇する問題の解決プロセスを内省的プロトコールとして収集し、その中に見られる「言語的問題への気づき」「問題解決のために使用されたコミュニケーション方略」「言語形式への気づき」「自分で生成した言語形式とモデル文中の言語形式との違いへの気づき」「言語形式の習得」との関係を分析した。 なお、これについては、第33回中国地区英語教育学会(島根大学)において、「英作文課題遂行における個人及びペアでの言語的問題の認識と解決のプロセスが言語習得に及ぼす影響について:パイロット・スタディ」と題した口頭発表を行い、学会誌に投稿した結果、受理され、現在印刷中である。
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