研究課題/領域番号 |
14580309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
緑川 日出子 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (10245889)
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研究分担者 |
小野 尚美 成蹊大学, 文学部, 教授 (10259111)
ROBSON Gordon 昭和女子大学, 人間文化学部, 教授 (90195917)
高梨 庸雄 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 特任教授 (10113812)
高野 恵美子 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (90338541)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 読解方略 / 読解指導意識調査 / 授業観察・分析 / 教授行動・指導活動のカテゴリー化 / 実験授業 / 読解指導技術 / 読解教材モデル / Model materials for improving reading comprehension |
研究概要 |
本研究では、現在高等学校で行われている平均的なリーディング指導の実態を明らかにして、これまでのリーディングの躓き研究の成果に照らして問題点を明確にし、開発した教材作成の基本理念を高等学校リーディング教材に応用して実験授業を行い、教材モデルと具体的指導手順を含む高等学校英語リーディング指導改善の方法論を提案することを目的としている。3年間に渡り以下の研究を行った。平成14年度は、研究課題遂行のために基礎資料収集を目的として、全国300名の英語教員の読解指導に関する意識調査と、900名の学習者の読解学習に関するアンケート調査を行った。さらにアンケート回答教員のうち38名の協力を得て、彼らの読解授業をビデオ収録した。教員は革新的な読解指導の理念を持っているが、実際の授業では伝統的な訳読と文法説明を重要視していること、学習者は伝統的学習法がよいと信じ、それを実践しているということが明らかになった。平成15年度は、収録ビデオをカテゴリー化して分析した。その結果、ほとんどの授業は訳読、文法中心であることが判明した。またこの授業形態は教師の信念にもよるが、教材ゆえにこの教授法が用いられるということが観察分析から明らかになった。研究者等の前研究(大学生の読解の躓き研究)で用いたモデル教材の形態を応用し、検定教科書を用いて教材を開発した。38名の中から1名を選び、この教材を用いた実験授業を行った。この授業実験に参加するクラスと統制群11クラスを用意して、実験教材とそれを用いた指導法の効果を測定した。テクストの読解前に、語彙と文法の躓きを取り除き、本文の内容理解を英語で行う形式を用いた。平成16年度は実験授業の結果を、指導法と教材開発の観点からまとめた。指導法に関しては、教員の経験、指導技術、教育に関する信念に大きく左右されることが判明した。実験授業前・後に実施した読解テストの授業後のテスト結果から、学習者にとっては日本語に頼らず、語彙や文法、その他の読解ストラテジーを用いて、英文を理解することは読解力向上にとってより効果的であることが、実験群の得点の有意差によって明らかになった。最後に実験参加教師の授業ビデオ分析と研究者とのカンファレンス、授業反省録を基に、研究者等が実験にあたって開発した教材をさらに検討し、読解力を高めるための教材モデルを開発した。
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