1 データの増殖 『朝日新聞』の「天声人語」と「社説」6か月分について、書式を整え、日英語の対応作業を行った。すでに入力を終えていた『エヌ氏の遊園地』(星新一)について全面的に再度校正し、対応の精度を高めた。さらに現代日本語のうち、より口語的なテキストの代表として『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子)を日英語で入力し、対応作業を行った。 2 入力、検索プログラムの改訂 Perlによりプロトタイプ版は完成していたが、より使いやすくするための改訂を継続した。また、UNIX以外のプラットフォームで使いやすいインターフェースとするため、Javaへの移植を進め、現在、一部、実用化に至っている。この作業の途中、米国においてMichael Barlow氏が同じくパラレル・コーパス用の検索ソフトウェアParaConcを完成しつつあることがわかり、仕様の調査を行った。 3 パラレル・コーパスに関する研究状況の調査 2003年、海外においてパラレル・コーパスの関心が急に高まりを見せた。このため、インターネット上に公開されつつある海外の研究成果とプロジェクトの進行状況について調査を行った。その結果、パラレル・コーパスという概念そのものにかなりの揺れがあり、今後、より厳密に定義を行うことが必要とわかった。 4 研究成果の発表 2002年10月5日 英語コーパス学会第20回大会(名古屋大学)のシンポジウム「日本における英語コーパス言語学の現状と展望」において「コーパスと英語教育」という題目で発表。 2002年11月30日 明海大学でMichael Barlow氏を招いて開かれたコーパス言語学研究会で「日英語パラレル・コーパスの構築」という題で発表。
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