英語学習に対する態度・動機、及び教室外での英書読書に対する態度・意識に関する因子分析の結果から、「読解力向上のための努力」は「内発的英語学習動機」に基づき、多くの英書を読もうとする努力が「図書館の利用」や「英語学習における自主性」と関連していることが明らかになった。しかしながら、読解向上のために努力を続けている一方で、どのようにすれば、より効果的に多読法を活用できるか戸惑う学習者がいることも窺える。また、「英書(原書)に対する読書願望」と「逐語訳の重視」の高い相関は、多くの英書を読みたいという願望はありながらも、逐語訳という精読的読解方略から抜け切れていないことを示唆していると思われる。 リーディング授業・多読法に対する意識において、「授業に対する満足感」は「授業における緊張感の低さ」以外の因子すべてと高い相関を示したが、これは、授業や多読への取り組みに対し、満足している学習者が多いことを示唆している。また、「チャプターごとの単語テストの結果が成績に関係なくても、単語を覚えようとする」など、積極的に語彙力を高めようとする姿勢も「リーディング授業に対する学習態度」や「多読に対する自主性」という形で表れている。 教室外での英書読書冊数を従属変数として、因子分析の結果得られた因子得点を独立変数として重回帰分析を行った結果、「図書館の利用」、「多読に対する自主性」、「多読への取り組みに対する要望」が有意な変数として選ばれた。この結果は、学習者自ら英語学習に取り組もうとする積極性が、図書館などを利用した、授業外での英書読書に繋がり、英書読書冊数の増加に繋がったことを示唆しているものと思われる。このような、英書読書冊数と図書館の利用や多読に対する自主性との関係は、平成16年度にも見られた。
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