研究課題
(1)指導環境の整備と評価インターネットを介して集録した聴覚障害学生の音声と対面して集録した音声を、聴覚障害児の発話指導を担当している聾学校教員11名に対して提示し、明瞭度を比較した。この結果、単音節発音明瞭度に関しては同一被験者の音声で両条件の差は10%未満であり、有意な差は認められないことが明らかにされた。(2)発話指導の指導の実施と評価聴覚障害学生1名に対して、対面指導と学内LANまたはインターネットを介した指導を交互に実施し、指導に際しての意思伝達、教材選択、教材使用法に関する両条件の差異を検証した。この結果、インターネットを介した指導において以下の問題を解決する必要があることが示唆された。・音声環境について:マイクおよびスピーカを使用すると音の回り込みが生じる。防止対策としてヘッドセットの使用は有効であるが、学習者側は補聴器を装用しているためこれが出来ない。因って、特に学習者(聴覚障害者)の側のマイク、スピーカの設置に際しては、指導者等(健聴者)が立ち会い音の回り込みがないように整備する必要がある。・インターネットのセキュリティ環境について:指導者側、学習者側の何れか、もしくは両方がLANを介してインターネットに接続する場合、ウィルス等を防止するためのセキュリティ(ファイアーウォール)を超える必要がある。一般のインターネット双方向会議システムなどではこのファイアーウォールを通過して動画、音声の通信を行うためには、セキュリティをその都度、解除する必要があるが、本研究ではウィルス侵入等の危険を排除しつつ、トンネリング接続するためのソフトウェアを開発することで、この問題に対処した。
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