研究概要 |
ペン入力デバイスを使い,幼児が自ら自然な動作でPCを操作できる教材の開発を行い,評価するとともに、ペン入力デバイスを使ってPC操作が苦手な教員の支援を行なって,幼稚園教育の情報化を促進するための方法について調査することを目的として研究を進めてきた.平成15年度は前年度に導入したペンタブレットディスプレイ付きノートパソコンやタッチパネル付きプラズマディスプレイ上で動作するソフトウェアの操作性を調査し,新たに動きのあるソフトウェアを作成・評価した. 操作性に関してはつっつく操作(タップ)とひっぱる操作(ドラッグ)について、幼稚園の年中・年長組のそれぞれに,大画面環境とノートパソコン環境に分けて調査,分析した. 上記調査を元にしたソフトウェアと,新たに動きのあるソフトウェアを作成した. (1)迷路ゲーム ひっぱる操作を縦と横に限定したソフトウェア.途中にある果物を全部拾ってゴールする. (2)もじならべ ひっぱる操作を中心に文字を並べるソフトウェア.画面に表示されたものの名前になるように表示された文字を並べ替える. (3)りんごキャッチゲーム 動きのあるソフトウェア.スタートボタンを押すと自動的にりんごが木から落ちてくるので、落ちる前にすばやく突っつく. (4)昆虫採集ゲーム 動きのあるソフトウェア.スタートボタンを押すと虫が飛び回るので,それを突っつく. これらのソフトウェアを実際に園児に使ってもらいその様子の観察から,ひっぱる操作で横の動きより縦の動きが難しいこと,動きのあるソフトウェアは幼児の興味をひくことがわかった.また,幼児のPC操作の戸惑いが少ないことから園児にPCを使わせる機会が増えたことが伺え,幼稚園の教員も積極的に使用してることが示唆される.このことから幼稚園の情報化にペンインターフェースの利用は有効であることがわかった.
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