本年度(〜平成18年3月31日)の研究実績の概要 これまでの分析で特徴的であった語をさらに精選し、特殊拍に先行するユニット1に注目し、リズム配置の異なる18語を選定し、単独発話と「これは...ですというフレームに入れたものを発話資料とし、呼気圧、呼気流量の側面から分析を行った。具体的には、121型6語、212型6語、122型6語の18語である。この資料を中国語(北京語)話者2名、スペイン語話者1名、日本語話者(東京方言に準ずる)2名が発話し、KAY社製の「エアロホン」を用いて収録した。 この研究の特徴は、学習者のリズム実現における長さおよび持続時間の配置が日本語母語話者と異なって実現された場合、生理的な要因である呼気流量の最大流量と呼気圧のピークが学習者では各語の特徴的な持続時間の開始点とどのような関係になっているか、また日本語話者とどのように異なっているかを分析する点にある。分析の結果、中国語話者では呼気圧のピーク時点が第3ユニットにきていること、流量は調音法によっても異なることが判明した。しかしながら、これまでの結果では、特に呼気圧、呼気流量の違いが持続時間の違いとなって現れるという結論を導き出すまでには至っていない。ただ、破裂音の閉鎖時間や発声の違いに影響を与えている可能性は示唆される結果となっている。 今後さらに要因を細かく設定直し、再度分析する予定である。
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