研究概要 |
1.条件付き期待値の漸近展開について研究した.ウイナー・ポアソン空間への渡辺理論の拡張によって,ジャンプ型確率微分方程式の解の汎関数に対してこのような漸近展開が得られ,本年度はとくにフィルタリング問題の応用について研究し,計算アルゴリズムを作った.多次元条件付の場合にモンテカルロ法で数時間かかる計算が,漸近展開によると0秒で計算でき,精度も勝っていた. 2.エルゴード的ジャンプ型確率微分方程式の離散観測に基づく疑似最尤推定量を構成し,その一致性,漸近正規性を示した.1次漸近有効であると予想されている。 3.サバイバルアナリシスにおけ変換モデルとカプラン・マイヤー推定量の漸近展開について研究した. 4.レビ過程で駆動されるオルンシュタイン・ウーレンベック過程を確率ボラティリティとするリターンの分布の漸近展開を導いた.パーシャル・ミキシングの応用について研究した. 5.研究成果はすでに数本のプレプリントとしてまとめられ,投稿中である.
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