研究概要 |
今回の研究における成果は、単純(部分)均斎配列から導かれるある分解能の計画の存在条件が、行列方程式の解の存在条件に帰着されることが分っただけでなく、情報行列のある代数のイデアルに関する既約表現の行列がグラムの行列の積で表現できることが分ったことである。このグラムの行列の要素は、単純(部分)均斎配列の1つの指標の添字のみの関数であるので非常に取扱いが簡単である。具体的な成果は、項目毎に下記に記す。 1.計画の構築と解析:(1)2^m-BFFDの場合:行列方程式の解の存在条件に合う単純配列の指標集合を用いて、分解能R^*({0,1}|3)とR^*({1}|3)の計画については、実験総数(=N)が未知母数の数(=v_3)より小さいとき、全て構築できた。また、ある代数の性質を使って、分解能R^*({1}|3)の分散分析も行った。 (2)2^<m1+m2>-PBFFDの場合:上記(1)と同様な方法(ただし、(1)の場合、グラムの行列においては線形独立な行は唯一つに決まるが、この場合は唯一つには決まらない)で、一般に言われる分解能IV(10種類ある)の全ての計画が、N<vと2【less than or equal】m_k【less than or equal】4の範囲で構築できた。 2.最適基準作り:要因効果間の別名係数:を用いて、A-とD-最適基準の一般化行い、各々3種類の新しい基準(GA-とGD-最適基準)を提案した。しかし、実際に計画の構築を行ってみると、推定値の共分散行列において、要因効果に対応する線形独立な行には自由性があることが分った。このことを考慮した基準作りは今後の課題である。 3.最適計画:(1)2^m-BFFDの場合:分解能R^*({0,1}|3)のGA-とGD-最適基準に関する最適計画と、分解能R^*({1}|3)のGA-最適基準に関する最適計画を6【less than or equal】m【less than or equal】8でN<v_3の範囲で求めた。 (2)2^<m1+m2>,-PBFFDの場合:分解能IVのGA-最適基準に関する最適計画を2【less than or equal】m_k【less than or equal】4でN<vの範囲で求めた。
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