研究概要 |
本研究は,外的変量のない多変量解析手法(主成分分析,因子分析,コレスポンデンス分析など)における変数選択手法の規準を導出するとともに,各規準の評価とさまざま選択手法を試行錯誤的に利用できる変数選択ソフトウェアの開発を行うことである。 本年度の研究実績は,次の通りである。 (1)新しい選択規準の検討(量的変数に対して):昨年度に引き続き,外的変量のない多変量手法に対して,ある規準で情報量を求め,これを選択規準とする変数選択に対する検討を主成分分析で行うことと,主成分分析の選択規準として利用している拡張主成分の性能の評価を行った。 (2)新しい選択規準の検討(質的変数に対して):コレスポンデンス分析における変数選択規準として,通常用いられているコレスポンデンス分析の適合度規準3つを選択規準として利用することを提唱し,定式化を行った。 (3)実データでの検討:上記の各規準を実データに適用し,利用可能性や選択手順の性能を検討した。 (4)ソフトウェアへの実装:平成14〜15年度に構築してきたシステムであるWebオンラインシステムの補強と,これまで開発してきた統計専用パッケージRとXploReの関数に今回提唱した選択規準を実装した。また,すでに公開している変数選択のWebページ(VASMM, http://mol61.soci.ous.ac.jp/vasmm/)に,今回得られた知見を公開し,外的変量を特定しない多変量手法における変数選択の統合サイトとして整理を行った。 以上の各成果については,国際会議(COMPSTAT2004,プラハ)や国内学会(日本計算機統計学会第18回大会,いわき;同18回シンポジウム,横浜)で発表すると共に,計算機統計関連の書籍へ寄稿したり,日本計算機統計学会誌へ投稿したりした。
|