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2003 年度 実績報告書

疫学調査における対照群選択のためのマッチング及びその他の方法の統計的評価

研究課題

研究課題/領域番号 14580356
研究機関(財)放射線影響研究所

研究代表者

COLOGNE John  財団法人放射線影響研究所, 統計部, 副部長(研究員) (50344411)

研究分担者 藤井 良宜  宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (10218985)
和泉 志津恵  財団法人放射線影響研究所, 統計部, 研究員 (70344413)
キーワード疫学研究デザイン / コホート研究 / 症例対照研究 / リスク因子相互作用 / 対照群抽出方法 / 統計的効率 / 交絡因子 / 統計的相互作用
研究概要

1 マッチングを行ったデータのための一般的な統計解析法を開発
擬似層化法を用いて曝露に基づくマッチングを行ったデータを解析するプログラムを開発した。この方法は実行可能であるが、実用化するまでに解決すべき問題が多く残っている。全尤度およびEMアルゴリズムを用いる方法は予想したほど進展しなかった。したがって代わりに、特にカウンターマッチング法に焦点を当てて研究を行った。
2 シミュレーションを用いたマッチング法とその他のデザインとの比較
2つのリスク因子の統計的相互作用を評価する場合、マッチング法とカウンターマッチング法の有効性をシミュレーションにより比較した。そのとき、1つの因子は、対照群を抽出する前に測定済みの曝露量で、2値あるいは連続変数である。症例コホート・デザインの有効性についてもシミュレーションを用いて現在調査中である。尤度比統計量かそれに類似したものを用いた統計的検出力に基づく理論的な効率計算に着手した。検出力計算については、米国国立がん研究所の保健統計研究員であるCharles Land博士と共同で作業を進めている。
3 開発した統計手法の既存データヘの応用および新規研究計画のデザイン
曝露に基づく対象抽出法を、乳がんにおける放射線とホルモンの相互的な機序に関する研究および肝がんにおける放射線と肝炎ウイルスの相互的な機序に関する研究という2つの新規研究に適用した。この2つの研究は、コホート内症例対照デザインにカウンターマッチング法を用いている。現在、がん発生における遺伝子と環境(抗腫瘍免疫遺伝子多型と放射線)の相互作用に関する症例コホート研究のデザインについても共同で作業しており、ここでも曝露に基づき抽出した対象の検出力の改善が期待される。
4 結果の普及
コホート内症例対照研究におけるマッチング法とカウンターマッチング法の効率を比較した論文2件が出版された。Journal of Epidemiology誌2003年7月号に掲載された曝露を2値変数として扱った論文と、International Journal of Epidemiology誌から近刊予定の曝露を連続変数として扱った論文である。コホート内症例対照研究において検出力を条件付き尤度比検定統計量により算出し、必要な対照者数についてシミュレーションした結果と比較した論文を、the Bulletin of Informatics and Cybenetics誌特別号の招待論文として提出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Cologne J: "Estimating the power of Case-control Studies Conducted Within a Cohort"Bulletin of Informatics and Cybernetics. In press.

  • [文献書誌] Cologne JB: "Improving the efficiency of nested case-control studies of interaction by selecting controls using counter matching on exposure"International Journal of Epidemiology. In press. (2004)

  • [文献書誌] Cologne J: "Selecting controls for assessing interaction in nested case-control studies"Journal of Epidemiology. 13(4). 193-202 (2003)

  • [文献書誌] Cologne J: "Effect of Comparison Group on Inference about Effect Modification by Demographic Factors in Cohort Risk Regression"Japanese Journal of Biometrics. 23(2). 49-66 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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