本年度は、昨年度に続き、最新のFPGAボードのホストコンピュータとなるパーソナルコンピュータの購入を行い、さらに、最新のFPGA開発用CADも購入し、これらのシステムを用いて以下の研究/開発を行った。 まず、C言語で記述されたプログラムから、それに対応する回路(ハードウェア記述言語で記述されたもの)を生成するハードウェアコンパイラに関しては、より効率的な処理を実現するために、ユーザが、配列データの各メモリバンクへの割り当ての指定、および、複数のハードウェアユニットによるループ部分の並列処理を行なうための記法の導入の検討を行なった。また、パイプライン処理に関しては、パイプライン上を流れるデータのタイミングを明示的に制御するための記法の検討を行なった。 ハードウェアライブラリに関しては、これまで設計/評価を行って来た画像処理(相互相関関数の高速計算)、セルラーオートマトン(並列/パイプライン処理ライブラリ)等の回路の評価/改良をより進め、その基本となる回路のライブラリ化を行った。画像処理に関しては、PIV (Particle Image Velocimetry法)のリアルタイム処理の研究を進め、2次元相互相関関数の高速計算方式の確立を行ない、国際学会(International Conference on Field-Programmable Logic and Applications 2003)において発表を行なった。さらに、ステレオビジョンのリアルタイム処理に関する研究を進め、1次元相互相関関数の高速計算方式の確立を行ない、国際学会(同上)にて発表を行った。セルラーオートマトンシステムにおける並列/パイプライン処理のライブラリに関しては、3次元の、セルラーオートマトンの高速計算方式の確立を行ない、この方式に関して、国際学会(同上)にて発表を行った。
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