本研究は、クラスタコンピュータの性能の飛躍的な向上を目指し、(1)並列分散処理における通信に伴う処理を自律的に支援する機能を持つネットワークの開発、(2)共有メモリを想定した並列分散プログラム中のデータ更新、読み出しアクセスを解析し、本ネットワークの自律通信機能を活用するための情報を抽出するアクセス解析ソフトウェアの開発、(3)本システムの性能評価、を目的とする。 本ネットワークが自律的に支援する処理は、送信処理に関しては、送信プロセッサがどのデータを更新し将来送信することになるかの送信データ決定処理、PC本体からネットワークインタフェースへの転送処理、転送粒度の決定処理である。受信処理に関しては、受信プロセッサが将来読み出すことになるデータの決定処理、受信データための領域確保、アプリケーション領域への受信データ転送処理、である。ネットワーク自身が、アクセス解析ソフトウェアによる静的解析情報を用いながら、PC本体の計算と並行してこれらの通信処理を行う。本ネットワークを用いてPCを結合し、通信に要する時間の大幅な隠蔽が可能なクラスタコンピュータの実現を目指す。平成14年度は、以下の研究・開発を行った。 平成14年度は、以下の研究・開発を行った。 1.ネットワークインタフェース、およびスイッチの開発 3.デバイスドライバ等基本ソフトウェアシステムの開発 4.C言語で利用できる通信ライブラリの設計・開発 5.デバッグ、および基本性能の評価 6.共有オブジェクトに対するアクセスを解析し、通信コードを生成するアクセス解析ソフトウェア開発
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