研究概要 |
本年度は,3次元形状モデルをその形状の類似性に基づいて検索する手法についての研究を集中的に行った.本年度の研究成果は,以下の2つにまとめることができる. 1)多視点からの見かけに基づく3次元形状類似比較:3次元形状は相似変換を加えても元の形状と「おなじ」とみなされることが多い.この不変性を実現するため,本手法では,立体角をほぼ等分する位置におかれた多数のカメラで生成した2次元画像群を比較して3次元形状の類似比較を行う.本手法の特徴は,視点から見た深さ値(z値)画像を生成可能であれば,どのような3次元形状モデルでも比較が可能なことで,3次元ポリゴンスープモデルのほか,向きを持つ点群モデルや幾何イメージなどの形状表現で定義された3次元モデルの比較も可能である.本研究は,査読つき国内学会や査読つき国際学会[Ohbuchi03c]で発表された. 2)3次元多重解像度表現を用いた3次元形状類似比較:形の類似性は,大局的な概形に基づく場合もあるが,反面,細かい形状の特徴に注目して決まる場合もある.これら2つの特徴をポリゴンスープから取り出す手法として,我々は,Edelsbrunnerらのαシェイプを用いた3次元多重解像度表現を用いた多重解像度形状類似比較手法を提案した.本手法の特徴は,3次元ポリゴンスーブモデルを多重解像度表現に変換し,そのそれぞれの解像度レペルで既存の手法(例えば[Ohbuchi03a])を使って特徴量を計算する.実験的評価の結果,単一解像度の特徴量と多重解像度特徴量を形状類似検索で比較すると,後者の方が性能が高いことが示された.本研究は査読つき国際会議[Ohbuchi03b]や査読つき国内学会などで発表された. [Ohbuchi03a]Ryutarou Ohbuchi, Takahiro Minamitani, Tsuyoshi Takei, Shape Similarity Search of 3D Models by using Enhanced Shape Functions, pp.97-104, Theory and Practice of Computer Graphics 2003 (TP.CG.03), June, 2003, Birmingham, U.K. [Ohbuchi03b]Ryutarou Ohbuchi, Tsuyoshi Takei, Shape-Similarity Comparison of 3D Shapes Using Alpha Shapes, Proc.Pacific Graphics 2003, pp.293-302, 0ctober8-10, Canmore, Canada. [Ohbuchi03c]Ryutarou Ohbuchi, Masatoshi Nakazawa, Tsuyoshi Takei, Retrieving 3D Shapes Based On Their Appearance, accepted for the Proc. 5th ACM SIGMM Workshop on Multimedia Information Retrieval (MIR2003), Berkeley, California, USA, November 2003.
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