研究概要 |
1.設備故障に強いインターネットルーチング方式 インターネットにおいてリンク故障が発生した場合には、パケットは代替経路を用いて目的地へと送られる。代替経路の計算はあらかじめ行っておかないと、パケット損失を招く。しかしあらゆるリンク故障を想定して代替経路のためのテーブルを用意しておくのは、多数のテーブルが必要となってしまう。我々は、各ノード毎に1つずつ代替テーブルを用意するだけで、あとはパケットのヘッダに1ビット加えるだけで、実行できる迂回方式を考案した。その代替テーブルの計算時間は、一般のネットワークでほぼ線形時間であり、さらに全てのリンクの距離を等しいと考えたネットワークに対しては厳密に線形時間でできる。 2.ハイパーグラフの凸多角形上への描画 ハイパーグラフHの各節点x1,x2,...,xnを、凸n角形の頂点1,2,..,nにそれぞれ対応させて描画する方式において、各ハイパーエッジの形作る多角形の面積の総和をA(P,H)と書くことにする。このとき、「任意の凸n角形Pに対し、常にA(P,H)≦A(P,H')である」ことは、任意のある種のカット(凸3カット)の大きさの大小関係と等価であることを証明し、それを用いて、上記に性質を判定する多項式時間アルゴリズムを与えた。
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