研究概要 |
(1)分散メモリ実行環境で医用ボリュームデータ(VD)画像を対象とした剛体レジストレーションおよび非剛体レジストレーションの高速計算を実現した.ただし,計画通り平成14年度はレジストレーションの対象画像は同一解像度として行った.平成15年度は異なる解像度のレジストレーションを行う.VDを分割してレジストレーションを行うが,処理が進むと計算負荷が不均等になる.これをリストスケジューリング法で解決し,1台のPCで約10時間半かかる処理を,64台dual CPUのPCで約11分に高速化した.これで手術中に3次元非剛体レジストレーションを実行可能となり,手術の質を格段と向上させることができる.この結果は国際会議CARS2003で発表する. (2)分散メモリ実行環境でボリュームレンダリング(VR)の高速計算を実現した.VRでは,VDの大きさと投影面の大きさに計算量が依存する.本研究では,次世代に要求される2048×2048×2048のボクセルという膨大なVD(64GB)を処理することを目標としている.この膨大なデータを処理するには,複数のPCにこのVDを分割しておき,それらを並列に計算する必要がある.このとき,VRの処理は2つのフェーズからなる.第1は分割した部分データごとのVRで,第2はそれらの一つの画面に統合するマージである.第1はPC数を増やせば増やすほど高速に計算できるが,第2は逆でPC数が増えるとマージに時間がかかる.したがって,第2フェーズを高速化することが重要であり,負荷分散をインタリーブ分割で解決し,画像データの空白部分の無駄な処理をmultiple bouding rectangleとランレングスコーディングにより解決した.この結果は国際会議SAC2003で発表する.
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