平成14年度は、複数のプロセスの実行速度を調整制御する機構の基本方式を検討した。今まで検討してきた提案方式は一つのプロセスの実行速度を調整制御するものであり、このままでは、複数のプロセスの実行速度を調整制御することはできない。そこで、複数のプロセスの実行速度を調整制御する際の問題点および課題を検討し、新たな方式の検討を進めた。さらに、検討により考案した方式の実現を試みた。 また、今まで検討してきた提案方式をカーネル外に実現する方式の詳細化を検討し、実装と評価することを目指した。具体的には、サービスプログラムが使いやすいインタフェースの検討と実装を目指した。 具体的には、複数のプロセスの実行速度を調整制御する機構の基本方式を検討し、独自に開発したTenderオペレーティングシステムに実装した。プロセスの実行の程度を制御する資源「演算」として実装し、各プロセスに対応付けられた「演算」をまとめてひとつの演算の下に関係付けて管理することにより、複数のプロセスの実行速度を調整制御する。さらに、実行速度を調整するサービスとしてWebを取り上げ、Webサーバが提供するサービスの応答時間の観点で、その性能保証ができることを確認した。
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