研究概要 |
申請者らは,命題論理の充足可能性問題(SAT)に対してLPPHと呼ぱれる力学系を提案している.この力学系は,Lagrangeの方法をベースとしており,従来の手法に比べ非常に効率良く解を求めることができる.本研究では,平成14年度以下について研究を行った. 1)本手法を,単なるSATの解法から,より一般的な制約充足問題を解く枠組みへ拡張した. 一般的な制約充足問題に対して,各制約の充足度を実数値で表す関数,および,各制約を充足するために各変数に与える動きを表す関数を定義した.複数の定義の方法を考案し,それらに対し力学系を作り,実験により,比較検討を行った.従来の離散的な手法と同程度の有効性が確認された. 2)その際の大域的な解空間の探索能力の解析と改善. 従来SATに対して提案している力学系の改良と同様の改良が,上記の力学系に対しても有効であることを実験的に検討を行った.有効性は,問題に依存することが分かった. 3)相互結合網による力学系の実現. 相互結合網により力学系を実現する手法を開発した.シミュレーターを作成し,本手法の有効性を示した.信号の一部欠落当に対してもロバストであることが確認できた. 4)電子回路による力学系の実現. パルス密度変調方式の電子回路で本手法を実現した.実現のために力学系に対し若干の変更を加えた.FPGAにより,地図の塗り分け問題を解く回路を作成し,有効に動作を行うことを確認した.
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