研究概要 |
コンピュータビジョン(CV)やレーザ照射型3次元計測技術とGPSを用いた手動の測量技術を融合することで,屋外環境をはじめとする実環境を高精度に復元して仮想環境と継目なく統合・描画する仮・実統合空間構成法の実現を目的として,以下のような要素技術の設計,試作,評価,および成果発表を行った. 1.ステレオ航空写真から復元した屋外地形データをGPSと光波式測距計で正確に計測した基準点座標をもとに仮想空間内で正確に再現・描画する手法を設計・試作した.また,2の機能から得られる施工計画データを再現した地形データに重畳表示する機能,両データ間の差分領域をボリューム(体積)量に基づいて算出・提示する機能,基準点データから幾何学的に最適な制御メッシュを構成する機能,レーザによる計測データに対して容易に編集・変形等の操作を行うことが可能な新しい3次元データ構造等を開発した.(西野および宇津宮が担当). 2.実際の土木施工現場の設計図表から施工計画データ(工事完成時のモデルデータ)を自動生成する機能を設計・開発した(小林が担当). 3.1,2で生成される情報を屋外の作業者が容易に利用するためのネットワーク構成法とデータ共有プロトコルを設計・開発した.設計事務所と遠隔の施工現場との間で高信頼なデータ共有や実時間ビデオ会議による打合せなどの要求にも応えるために,マルチキャストにTCP相当の信頼性を持たせた拡張プロトコルを設計・開発した(吉田が担当). 4.上記1〜3の開発機能を統合化して評価用試作システムを実現した.実験データとして大規模施工工事現場の設計図表とステレオ航空写真を入手し,開発した各機能の動作検証と性能評価を行い,結果をVSMM2003およびIEEE SMC2003の両国際会議で発表した(西野が担当).
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