研究概要 |
平成14年度に行った,現実環境と仮想環境を継目なく統合・描画する仮・実統合空間構成法の基礎研究成果に基づいて,以下のような基盤技術および応用システムの設計,試作,評価,および研究総括を行った. 1.3次元計測装置を用いて得られる実物体の点群データを,復元精度の調整や形状変形演算に対応可能な構造化されたデータ構造に変換する手法を設計した.ポリゴンメッシュに変換した点群データを輪切り状に分解し,フーリエ演算を用いて形状の概形や局所部位等を単位として復元精度や変形演算を効率的に実行できるソフトウエアを開発した. 2.1で開発した手法を利用して,直観的に仮想空間を構成することが可能な3次元空間造形・編集システムを設計・開発した.また,3次元モデルのテクスチャマッピング編集機能,web用の3次元空間編集機能,焼き物形状の特徴づけと検索機能を題材として取上げ,システムの開発と実証実験を行った. 3.分散環境での3次元データ共有と遠隔地間での協調型仮想環境の構成法を実証的に評価・検討するための基盤ネットワークシステムを設計・構築した.さらに,屋外環境の例として都市計画データを取上げ,分散環境で復元・評価を行う実験システムを構築して,上記1および2の研究成果の有効性について評価を行った. 4.上記1〜3の研究内容を総括し,結果をIEEE SMC2003およびAINA2004の両国際会議で発表した.また,開発内容の詳細と評価内容をまとめて情報処理学会論文誌に投稿し,採録された.
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