研究概要 |
本課題では,屋外物体や弾性体の3次元形状を高精度に復元し可視化するための手法について研究を行った.これらの対象物は,従来技術では取り扱うことが困難であったが,レーザやビジョンを応用した3次元計測技術と測量技術を融合して,復元精度と復元後の形状変形などが容易に実行可能な,新しい3次元計測・復元・可視化法を開発した.さらに,同技術を基盤にした3次元造形法とその応用システムを開発し,'考案手法の有効性について検証を行った.以上の研究開発を通じて以下のような成果が得られた. 1.フーリエ演算に基づく実物体形状の復元法:3次元計測された物体の点群データから,復元精度の調整や形状変形操作に対応可能な構造化3次元データを生成する手法を考案・開発した. 2.復元された3次元モデルの造形手法:1の手法で作成された3次元データに対して,手書きスケッチ機能や対話型遺伝的アルゴリズムを適用しながら直観的に立体造形を行うことが可能な造形法を考案・開発した. 3.3次元モデル造形応用システム:2の造形法を適用する題材として,テクスチャマッピング機能,webアイコン制作,焼き物形状の特徴記述を取上げ,システムの開発と実証実験を行った. 4.分散型仮想環境への拡張と実験:分散環境での3次元データ共有と遠隔地間での協同造形作業を評価・検証するための基盤ネットワークシステムを開発した.また,屋外環境の例として都市計画デザインを題材にシステムを構築し,上記1,2,3の成果の有効性を実証的に評価した. 以上の成果は,IEEE/ACM主催の国際会議および情報処理学会/電子情報通信学会論文誌等で公表した.
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