複数話者と対話可能な知能ロボットの開発

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14580416
• 研究機関: 山梨大学
• 研究代表者: 関口 芳廣 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70020493)
• 研究分担者: 有泉 均 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (80020436) ; 鈴木 良弥 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (20206551) ; 唐澤 博 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (90177618) ; 西崎 博光 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (40362082)
• キーワード: 音声対話 / 複数話者 / 重複音声分離 / 感情音声合成 / 対話管理 / 話者識別 / 言語情報処理 / 音声誤り訂正

研究概要

複数の話者と対話できるロボットの開発を目指して研究を行っている。下記のような研究成果を得た。
1.複数話者と対話できるロボットの基本バージョンを構築した。複数のキーワードを組み合わせて意味理解を行い、対話を進める。話者、対象者、その他の対話参加者の役割を区別でき、対話の促進や割り込みも可能である。
2.GMMを利用した話者識別システムを構築した。有声音、無声音毎にモデルを作成し、両者を利用して最終判定を行う。約20名の登録話者に対して、1単語発声で約95%、3単語発声で約98%の話者識別率を得ている。
3.1単語発声の音響情報で、肯定、否定の判定を行えるようにした。基本周波数、振幅、末尾の母音長を利用して判別関数で識別する。約80%の正確さで識別できる。
4.部分的に重複がある音声を分離するために、マイクロホンアレイと各マイク間の相関係数の変化を利用している。この手法により高精度で分離できるが、重複部分の音声認識率はまだ改善の余地がある。
5.対話システムの評価とその改善手法を検討している。家電制御対話システムを例に評価、改善手法を確かめている。
6.複数名詞の同定に関して規則を作成し、物語などに出現する複数名詞の要素の判定ができるようになった。
7.言語情報、音響情報を適切に制御することにより、適当な感情を含んだ音声の合成が可能になった。
8.言語情報を利用して、音声認識誤りを修正する方法を検討している。固有名詞の修正等に効果がある。

研究成果

• [文献書誌] Y.SUZUKI, F.FUKUMOTO, Y.SEKIGUCHI: "Complementing News Stories with Newswire Articles for Topic"Proceedings of PACLING03(Pacific Association for Computational Linguistics 2003). 1. 265-274 (2003)
• [文献書誌] 渡辺雄太, 関口芳廣, 鈴木良弥: "ビデオ装置を例とした家電品の音声対話機能について"情報処理学会論文誌. 44・11. 2690-2698 (2003)
• [文献書誌] 西崎博光, 伊藤友裕, 関口芳廣, 中川誠一: "WEB文章を利用した音声認識誤りの訂正方法の検討"電子情報通信学会技報. SPL2003-143. 181-186 (2003)
• [文献書誌] 田村雅人, 金丸浩司, 関口芳廣 他: "複数の話者と対話可能なロボットの試作"情報科学技術フォーラム論文集. No.2. 267-268 (2003)
• [文献書誌] 金丸浩司, 深井康治, 関口芳廣 他: "機械学習による集合名詞の照応解決"情報科学技術フォーラム論文集. No.2. 107-108 (2003)
• [文献書誌] 大坪文和, 唐澤博: "言語情報による音声認識文の誤り訂正"情報処理学会全国大会講演論文集. 66回春季. 4T-7T (2004)