研究概要 |
本研究の代表者らが提案している進化型ニュートラルネットに基づくマルチエージェント強化学習手法は,マルチエージェント強化学習を行う上で問題となる行動政策空間の爆発に対応可能なだけでなく,(i)連続および離散値の入出力への対応,(ii)連続および離散時間への対応ならびに(iii)大域的に良好な行動政策の獲得などの可能性を有しており,マルチエージェント強化学習手法の基本的枠組みとして有望である. 平成14年度は,以下の研究成果を得た. ●マルチエージェント強化学習手法としての評価:従来のマルチエージェント強化学習手法が備えていない上記の特色を有する進化型ニューラルネット手法をマルチエージェント強化学習手法として評価することを目的として,従来のマルチエージェント強化学習手法では対応が難しい型のマルチエージェントシステム設計問題を取り上げ,それらへの適用事例を通して,進化型ニューラルネット手法の有効性を確認した.適用事例としては,非同期型シーソー均衡化問題および2次元ホッケーゲームを取り上げた. ●競争的なマルチエージェント環境への応用を考慮した要素技術の開拓:RobCupサッカーに代表される対戦型ゲームは,各エージェントの絶対的な評価値を計算することができないために,進化計算に基礎をおく進化型ニューラルネット手法では対応が難しい.この問題点を克服するための要素技術として,対戦型ゲームのような競争的マルチエージェント環境におかれたエージェントの政策を共進化的に獲得するための共進化型世代交代モデルを提案し,その有効性を確認した.
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