研究概要 |
前年度の研究成果を踏まえ,本年度は下記のとおり研究を遂行した. 1.デザインにおける創造的思考過程構造モデルの検証と評価 本研究により前年度に提案したモデルに基づき,更にドローイング,スケッチなどイメージ表現による創造行為をより詳細に観察し,追体験的アプローチによる分析を経て,創造行為の主要なステージを分類し,それらの相互の関係をとらえモデルの修正を行った.この修正モデルについては創造過程を研究している国内外の研究者らによる評価を依頼し専門的視点からの意見を得た. 2.創造的思考過程における動的・視覚情報の位置付け及び関係性の把握 上記のモデルの修正にともない,他の創造性研究のモデルと比較したうえで,本研究の特徴である創造プロセスにおける動的な構造モデルとして際立つ点を抽出し,視覚イメージによる発想と言語による探索の部分を切り分けることで,言葉が創造性に効果的である部分と逆の部分との関係性をパラレルな構造でとらえることができた. 3.視覚言語としてのプロトコルをリプレゼンテーションする方法の提案 上記の関係性について,視覚イメージによる発想と言語による思考との相互に寄与しあう動的な構造をモデル化するために視覚言語としてのプロトコルをダイレクトに表現するための動画の制御方法とそのデザインを考案した. 次年度は、本研究で最終的に提案する表記方法を実際の研究で実現するという目標に到達させるために,上記の方法を具体的に動作させ,プロトコル分析の実験研究に活用し検証を行う.また,本研究による提案を理論的な側面からの評価を得るために研究の成果を積極的に公開していく.
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