研究課題
本研究の16年度の実績は、研究の目的及び実施計画に基づき、研究遂行した結果、次の通りであった。本年度は、昨年度までの研究成果を踏まえ、本研究の目的のうち、次の二つを目標として研究を行った。目標A:創造的思考過程において外からリアルタイムに観察しうるアイデアスケッチとその表出行為をダイレクトに記録する研究方法の構築と、そこで得られる動的視覚情報の表記デザインの提案、及び、より多くの被験者からのデータ収集と追実験を重ねることで、より精緻な分析結果を得ること目標B:これからの社会で求められる障害者と健常者とのコラボレーションや、高齢者の社会的創造活動の支援のためには、さらに多様な被験者を対象とした、実験観察方法のための動的認知過程の実時間的情報の表記方法を開発するための手がかりを得ること研究の進展により、当初に設定した二つの目標をほぼ達成することができた。研究成果の発表により、創造的思考過程について基盤であるデザイン領域での受賞など、関係領域で評価されたのみならず、特定の分野に限定されることなく、設計や感情科学などの分野にわたるより一般性のある創造性研究の研究方法の開発アプローチとして本研究が位置づけられ、一定の評価を得た。具体的には、次のような実績があげられる。(1)デザインにおける創造的思考過程の研究として、プロトコル分析実験と観察法による追体験的解析方法の構築からモデル化までの研究が、日本デザイン学会より平成16年度研究奨励賞を授与された。(2)本研究の成果に基づき創造的認知過程研究としての分析方法を提案し、デザインシンポジウム他、国内の学会及び国内で開催の国際シンポジウムで研究発表を行った。(3)国内外の専門的な研究者との交流を深め、観察実験法とプロトコル分析の統合による、より多様な被験者の創造行為について研究を行うための基礎的な方法論について検証を重ねることができた。(4)実験により、本研究で得られた動的視覚情報の表記方法が、さらに多様な人々の創造行為を対象としうる感性情報の表記方法として展開できる可能性について、裏付けが得られた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
International Symposium, New Perspectives in Affective Science Proceedings
ページ: 45
日本デザイン学会誌「デザイン学研究特集号」 12・3(47)
ページ: 36-39
日本美術教育連合「日本美術教育研究論集」 38(掲載予定)
Design Symposium 2004(講演論文集)
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日本知能情報ファジィ学会学会誌「知能と情報」 16・6
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