研究概要 |
初期輪郭線から得られる事前知識を積極的に活用する動的輪郭モデル」を実現するためには,以下の3つの課題を解決する必要がある. 課題1.利用者が設定した初期輪郭線から抽出対象領域の形状情報を推定する手法の実現(すなわち,利用者が抽出しようとしている領域の形状を,利用者が描いた自由曲線から如何にして推定するか?) 課題2.初期輪郭線から推定された抽出対象領域の形状情報を記述する手法の実現(すなわち,推定された形状情報をどのような形で表現すれば,効果的かつ効率的に事前知識としてACMへ導入できるか?) 課題3.導入された事前知識に基づき効果的・効率的にACMを制御する手法の実現(すなわち,事前知識に基づくエネルギーをどう定義するか?定義されたエネルギーを如何にして最小化するか?) 本年度は,上記課題1.について検討を行った.この検討結果に基づいて「利用者が設定した初期輪郭線から対象領域の形状情報を推定する処理」を前年度に実装したプロトタイプ・システムへ追加し最終的な評価用システムを構築した. ●課題1.の検討 利用者が描いた自由曲線を構成要素(形状特徴)に分解し,形状特徴の系列として元の形状を表現する手法が,従来より多数提案されている.ここでは●初期輪郭線を解析し形状特徴を抽出する際の安定性 ●得られた形状特徴をACMの制御に導入した場合の効果 について検討を行い,初期輪郭線(自由曲線)を解析するための手法を新たに提案した.また,ここで提案された初期輪郭線解析手法との整合性をとるため,前年度に得られた課題2.,3.に対する検討結果についても見直しを行った. ●最終的な評価実験 前年度に実装したプロトタイプ・システムへ,提案された初期輪郭線解析手法を導入し,最終的な評価用システムを構築した.この評価用システムを用いて,操作性・領域抽出精度を中心とした評価実験,および,ACM以外の原理を用いた対話型領域抽出手法との比較評価実験を行った.
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