研究概要 |
平成14年度では,感性情報処理法によるマルチメディア情報システムの一般的基礎概念とモデル化の確立およびこれらのシステム技術の詳細化を目標とし,2つの研究サブテーマについて行った。 1)感性情報処理法によるやわらかいマルチメディア情報システムに関する研究においては、伝統工芸品として建具を対象とし、感性語とその度合い,色,柄,パターン,素材との関連性をアンケート調査により分析し,感性語による問い合わせに対応できる検索方法論を確立した。また、知識ベースとエージェントの導入による知的な分散型マルチメディア情報システムをエージェント指向の概念より体系化し,かつ分散管理できるシステムを確立し,その実現性を図るため知識エージェントをJAVA言語を用いてプロトタイプを構築した。 2)伝統工芸システムの大規模分散化に関する研究においては、ギガビットネットワーク(JGN)を利用して,広域に自律分散するベータベースサーバをネットワーク統合して,複数の利用者が同時にアクセスする場合でも,インタラクティブに提供できるためのクライエント・エージェント・サーバシステム間のネットワークインターフェイスをVRMLおよびJAVA言語を用いて開発した。そして建具データベースをJGN上の3つのサイト(岩手県立大学、埼玉工業大学、石川県田鶴浜町コミュニティセンター)に分散し、利用者が実際に感性語を用いてインタラクティブな操作により、建具データベースを検索して和室空間を構築できるようにした。 この成果は、国内外の学会や研究会にて発表された。また、開発されたデジタル伝統工芸システムは、平成15年5月の「東北地区ギガビットネットワークシンポジウム」において、デモンストレーション発表する予定である。
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