研究概要 |
平成14年度における本研究の成果の第一点目は,XML文書データベースにおいて文書を相互に結合するハイパーリンクの参照一貫性を検査し,その不整合を自動的に検出して一貫性を維持する機構に関する基本的部分の設計とプロトタイプ実装を行ったことである.作成したプロトタイプでは,文書サーバ上にUNIXテキストファイルとして保存されたXML文書の格納ディレクトリ位置が変更されたり,文書そのものがサーバ上から削除されたことに起因するハイパーリンクの参照不整合状態の検出が可能となっている.これを自動的に修正維持する機構については,残念ながら未完成であり,リンク削除やリンク先修正が一部対話的に行えるに留まっており,この点の改善が今後の研究課題である. 研究成果の第二点目は,オンライン・ハイパーメディアとして重要と考えられるXML文書を基盤とするSMIL文書を対象として,ネットワークを介して遠隔地に離れたユーザ同士がSMIL文書群を協同編集することを可能とした作業環境のプロトタイプを試作したことである.本システムでは,編集途中のSMIL文書をネットワークを介して共有し,文書を構成する部品単位毎に各作業分担者が独自にコンテンツの作成・変更作業を行うことができる.開発したプロトタイプではMPEG動画像を編集に用いる際のプレビュー機能やSMIL文書ビューアも独自に開発した.本システムで作成されたSMIL文書の協同編集結果は,関係データベースDB2上に格納され,ユーザ間での文書共有を図っている.
|