1 金融サービス業における情報処理構造についての産業連関表による分析 1975年から1999年までをカバーする産業連関表について、95年をベンチマークとしてデータのフォーマット変換を行い、一般行列計算ソフトウェアで使うことのできるテキスト形式のデータ・ベースを作成した。さらに、任意の部門統合を可能とするためのツールを作成した。公表されている構造分析用のI-O表は統合大分類、32部門であるが、本研究では、金融部門の詳細な分析を行うため、通常より細目化する部門(金融、情報など)がある一方、一括して簡略化すべき部門がある。このため、本年度作成した上記ツールを用い、いくつかの代替的方法により部門の再分割・統合を行って研究を進めることとしている。 2 金融サービス業における情報処理系列およびオンライン金融取引に関する基本データの調査 (1)情報システム開発体制、(2)銀行本体と情報システム子会社の関係、(3)情報システムのアウトソーシング、(4)インターネット金融事業の動向、(5)ITによる業務収益への影響、(6)情報システム投資動向、などについてインタビュー調査を実施中である。また、オンライン取引(銀行、証券)の設立・統合・撤退等の動向等を調査するとともに、既存の銀行業・証券業について財務データを収集し、成長性、収益性、生産性等の観点からの分析を進めている。引き続き、インターネットを中心とする情報技術の影響を分析するフレームワークの構築を進める。
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