研究概要 |
新技術や新製品の研究開発の効果的な方法(研究開発マネジメント)に関する研究は、技術経営論(テクノロジーマネジメント)の中でも、非構造・非定型な対象のため取り扱いが比較的難しいこともあり、なすべき多くの研究対象が山積している。 本研究では、近年重要性が認識されているが、研究実績の少ない「学際的研究」に対して、その効果的な研究開発マネジメントの確立を目指すことを最終的な目標としている。平成14年度は、「学際研究」をマネジメントの観点から4階層すなわち、(1)個人レベル、(2)少人数のグループレベル、(3)研究所などの事業所レベル、(4)企業レベルに分類し,特に、(2)少人数のグループレベルに対しては、組織知能システムの観点から検討を実施した. 平成15年度には,(4)企業レベルに関する2つの研究を実施した.その第1として,長期的でかつ公共的な大型の研究プロジェクトを,種々の分野や種々の組織体(例えば,大学,企業,公的機関)の学際的な研究者で実施する場合に効果的な仕組みである「研究開発型NPO」を提案した.持つべき特性として,ビジョンドリブン性,競争と淘汰性,中立性,オープン性,が特に重要であることを明らかにした.第2は,研究開発型ベンチャーが企業提携をする際の成功要因を明らかにする実証的研究である.ここで,分担提携の場合は情報伝達手段の整備,聞発提携型の場合は対等性の保持,包括提携の場合は個人間信頼が,特に重要であることを明らかにした.
|