研究概要 |
1.ペトリネットシミュレータの動的図解手法機能の成果 (1)背景画上でのネット構築化:ペトリネットシミュレータの特徴に,プレースによる空間占有化の動的図解性があり,その強化として,対象実空間画像を構築ネットの背景画として挿入するメニューを付加し,視覚的な実空間対応型のペトリネット構築手順を示し,既開発ネットの再構築を行った. (2)既開発ネットのデータベース化:ペトリネットのSdata形式は文字検索が可能であり,基本部品性,背景画像との実空間対応性,開発時の工夫性等の視点からキーワードを,そこにコメント記載する形でデータベース化し,その検索による計画課題に対するペトリネット構築とその展開支援の模擬試行を行い,利用者による検索・構築時のコメント記載が効果的であることを示し,開発者側と利用者側の双方向からのデータベース構築枠組みを提示した. 2.バス優先交通計画への応用研究の成果 (1)バスターミナルのシミュレーション開発:金沢東口新ターミナル図面を背景画像として,実空間対応型のバス交通のシミュレーションネットを構築し,この新出入口道路空間との対応性で,出発定時性確保のバス優先策の図解ネットが構築できることを示し,さらに,それに付随する信号制御代替案ネットを開発し,結合化することで即時に視覚型シミュレーションが実行可能となることを示した. (2)バス優先レーンとの運用策のシミュレーション開発:バス接近にのみ規制情報を出し,一般車走行を制約するバス優先レーン策の基本ペトリネットを開発し,代替案評価シミュレーションを実行した. 3.防災計画への応用研究の成果 (1)緊急車走行のシミュレーション開発:通常時消防防災システムでの緊急車両走行のマクロペトリネットを開発し,それに地震時阻害要因ネットを結合化させて地震時ネットを構成した.そして,両者が即時シミュレーション可能となること,さらに,都市空間画像を背景画とすることで,環境変容に対応する点検・見直し支援に有効となることを示した. (2)避難シミュレーション開発:建物内避難シミュレーションを背景画上で構築し,計画シナリオからの変容要因の組み入れ手順を示し,個人判断と出火リスク評価変化への対応化を実行した.
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