研究概要 |
平成14年度の研究計画では,リアル・オプション・アプローチとゲーム理論という2つの異なる方法論の考え方の違いを明らかにし,両理論を統合する一般モデルを構築する方向性を明らかにするということであった.2つの理論の融合した先行モデルの研究や,関連する研究の分析を行った結果,いくつかの際だった違いが明らかとなった.それらの結果を踏まえ,リアル・オプションを含んでいる投資プロジェクトの評価に,ゲーム理論のアイディアを融合した基本的なモデルを提案し,今井潤一,渡辺隆裕,「戦略的思考を取り入れたリアル・オプション-離散2時点モデルによる分析-」,2003,1月,公開研究セミナーシリーズ「金融技術と経営」(青山学院大学)として,発表を行った.その後さらにこれらのモデルを基礎としたモデルを開発し,研究論文「戦略的思考を取り入れたリアル・オプション-離散2時点モデルによる分析-」の原稿を現在執筆中である. それと平行して,戦略的思考を取り入れたリアル・オプションの一般モデルに利用できる数値計算手法としての,準モンテカルロ法を研究し,これに関する研究論文1つ,ゲーム理論関係の論文3つを発表した.
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