研究概要 |
本年度は,昨年度作成したworking paper "A Two-stage Investment Game in Real Option Analysis"を6月にモントリオールで開かれたReal Options:8th Annual International Conferenceにて発表(今井),東北大学大学院経済学研究科では「戦略的思考を取り入れた投資プロジェクトの分析-ゲーム理論とリアル・オプション・アプローチ」(今井)を発表した.その後多数の研究者との討論を経てworking paperを修正,ジャーナル(RFS)への投稿を行った.この研究は,競合する2企業が順番に意思決定を行うモデルである. 一方,競合する2企業が同時に意思決定を行うモデルも分析を行い,これらの成果を「戦略的思考を取り入れたリアル・オプション-離散2時点モデルによる分析-」として別のジャーナルへの投稿を行った. また,これまでのリアルオプションに関する研究と現在進行中の競合状況を考慮したリアル・オプションモデルの成果を著書「リアル・オプション--投資プロジェクト評価の工学的アプローチ」としてまとめ中央経済社より出版した.さらに,2時点の投資ゲームの要旨をまとめた論文を朝倉書店出版予定「リアルオプションと経営戦略の新展開」の一つの章としてまとめ「競争状況下でのリアルオプション:ゲーム理論とリアルオプションの融合」として出版予定である. さらに,従来のモデルをより現実の状況に近づけるため,多期間モデルに拡張しその影響を分析することを目的にした研究"A Multi-stage Investment Game in Real Option Analysis"のworking paper第一版を発表した.この研究成果については,本年6月にパリで行われるReal Options:9th Annual International Conferenceでの発表を目指している.
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